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損益計算書は儲け


損益計算書からは、企業の一定期間の儲けがわかります。
企業が一定期間でいったいどれだけ売り上げたのか(収益)、その売上のためにどれだけのコスト(費用)を費やしたのかがわかるんです。


<利益の正体を掴もう!>
   

損益計算書は貸借対照表に比べて抽象的でわかりにくい。
資産は実際に物があるのでイメージしやすいし、負債も借金っていえば理解できます。しかし、収益とか費用とかって実体のないものを表しているのでつかみにくいんです・・・(>_<)


収益って何? 費用って何なの?

なんてことはない収益も費用も結果論から考えればいいんです。

「収益っていうのは、最終的に企業に対して資金流入をもたらしてくれるもの。」
「費用っていうのは、最終的に企業に対して資金流出をもたらすもの。」


収益費用の本質はずばりこれです☆
商売した結果、資金流出よりも資金流入の方が多ければ、その差額は企業の生み出した利益にあたります。ねっ?簡単でしょう(^^)/

そして損益計算書はその利益を算出するまでの過程を表した表なんです。




<損益計算書を知ろう!>

    

これが財務諸表にのっている損益計算書(PL)の例です。
ずらずら〜っと科目名が並んでいるかと思いますが、はじめに科目名の意味から理解していきましょう。

@収益グループ(赤色)の場合
☆売上高☆
本業の販売金額の総額にあたります。
ユニクロの場合ですと、990円ジーンズが一枚売れたとしたら、売上高には990円が加算・計上されます。(当たり前のことですが、売上高を具体的にイメージする癖をきちんとつけましょう♪ファンダメンタル分析ではこれがけっこう重要です。


☆営業外収益☆
本業以外から得られる収入はここに計上されます。
たとえば企業が他社の株式を保有していたとして、配当金をもらったとします。
配当金をもらうことは企業にとって本業にあたらない事ので、営業外収益に受取配当金として計上されるんです。

配当金以外には銀行に預けている預金につく利息なんかも営業外収益に該当しますね。あと不動産を貸し付けての家賃収入とか株式の売買益なども営業外収益に含まれます。


☆特別利益☆
臨時的な収益が発生した場合はここに計上されます。
たとえば、土地や工場などの固定資産の売却や関係会社の株式を売却したときに利益が発生している場合などがあげられます。
まぁ、毎年起こるような利益ではない収益のことですね。



A費用グループ(青色)の場合
☆売上原価☆
本業の販売品などの原価そのものはここに計上されます。
ユニクロの場合ですと、990円のジーンズを生産するのにかかったコストが売上原価に相当しますね。


☆販売費及び一般管理費☆
本業の販売品を販売するのにかかったコストはここに計上されます。
例えば、もっかいユニクロをイメージしてもらうと、店頭の販売員の人件費であったり、商品の広告代、お店の電気代や家賃なんかも販売費及び一般管理費に計上されます。

本業をサポートするために費やしたコストはここに計上されると考えるとイメージがつきやすいのではないのでしょうか(^^)/


☆営業外費用☆
本業とは関係のない費用はここに計上されます。
例えば、借入金・社債の利息(支払利息)などがあげられます。


☆特別損失☆
臨時的な費用が発生した場合はここに計上されます。
例えば、固定資産の減損損失(工場の価値が下落!)や訴訟時の和解金など。


☆法人税等☆
ここは税金、法人税です。
だいたい税引き前当期純利益に対して40%ぐらいでしょうか。
逆説的ですが法人税等が出ているうちは安心ですね(^^)




<損益計算書の4つの利益>

  

損益計算書には大きく分けて4つの利益が記載されているのですが、それぞれの持つ意味は違います。

@売上総利益
売上高から売上原価を差し引いた差額が売上総利益(粗利益)です。

売上総利益=売上高 ― 売上原価

売上高に対する売上総利益の割合を売上総利益率いいますが、これが高ければ高いほど良いように見えます。しかし、業界の特性によってこの売上総利益率は特徴がありますので、ご注意を!

売上総利益率=売上総利益/売上高×100%

cf:医薬品業界はここがめちゃめちゃ高いです。特許権に守られてるからね☆でも特許が切れると他社の追随を許すことになるので利益率は↓↓↓



A営業利益
売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた差額が営業利益です。
販売費   =販売員の人件費や広告費・接待費、営業支援に費やしたコストです。
一般管理費=事務所の家賃代・人件費や消耗品費といった管理上のコストです。

この営業利益が本業から得られる利益と見ていいですね。

売上高 - (売上原価+販売費及び一般管理費)=営業利益



B経常利益
営業利益から営業外収益・営業外費用を加算・減算した金額が経常利益です。


C税引前当期純利益
経常利益から特別利益・特別損失を加算・減算した金額が税引前当期純利益です。
ここが最終的に企業に残る利益・・・・の一歩手前です。


D当期純利益
税引前当期純利益から法人税を差し引いた金額が当期純利益です。
ここが最終的な企業の手元に残る利益となります。





<オマケ・損益計算書から掴むポイント>
投資対象を選定していくときに損益計算書ももちろん見るのですが、
そのときに注目する点を2点、ご参考までに紹介します。

@売上高の成長性+営業利益の成長性
過去5年分ぐらいの損益計算書を並べてみて、売上高・営業利益が順調に拡大しているのかどうかをチェックします。
理想的なのは売上高以上に営業利益が成長している企業です。

売上高を伸ばすことに専念するあまり、コスト削減意識がおろそかになってしまい、営業利益が増加していない企業はけっこう多いです。

売上高の成長は鈍化しつつもコスト削減に努めることで営業利益を増加させているかという点を見ることもポイントですね。



A売上高営業利益率
売上高に対する営業利益の割合もチェックしています。
なるべくなら収益性の高い企業・収益性の高いビジネスモデルを有している企業が望ましいですからね(^^)/



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